2013年4月10日

福建福州市三坊七巷

中国福建シリーズ,
今回がラストです。



「三坊七巷」南后街という店の並ぶメインストリートから
脇に直行して延びる道の「坊」が3つ「巷」が7つです。





表のメインストリートは2010年に総新築したとのことで
土産屋や食事処がならび,大変にぎわっています。





一方,坊や巷に入ると
背の高い塀に挟まれて落ち着いた空間になっています。







今回はわりとゆっくり目の時間
夕暮れどきに行ったので,内部の見学はできませんでしたが,
マジックアワーの時間が楽しめました。











迫力満点のうだつ









時を経て趣の増した
とても凝っている木組










ベンガラ?の格子も目をひくものでした。






鏝絵のみごとなうだつ



福州市の中心部のなかで
表通りはともかく,歴史的な建造物がよく残り保存されています。
時間がなく,1つの巷しかみませんでしたが,
立地もいいので,また,福建にくることがあれば福州着発として
三坊七巷にもまた,来たいなと思いました。








最後になりましたが,
今回の調査では,匠工房の島田さんに同行していただきました。
その知見や,建築をみる視点はとても勉強になりました。
ありがとございました。

また,
この調査のコーディネート,案内,通訳は昨年に大場研究室に研究生で在籍していた
林并永さんがやってくれました。
毎度のことですが,段取り,調整がすばらしく,
とても快適に,おもしろく調査行うことができました。
さらに,そのために毎食事,失敗がないのですが
特に福州市では地元ということで,行きつけのお店に連れて行ってくれて
とても,いい食事を味わうことができました。
ありがとうございました。








今回もいい旅でした,宮下



2013年4月9日

福建蟳埔村蚵壳厝

まだ続きます,中国福建シリーズ
宮下です。
牡蠣の殻が積み上がっています。

これがあるのは福建省の沿岸部,泉州市です。
台湾と非常に近いようで,方言も台湾語にちかいそうです。

さて,上部の写真,これは
何かというと,
まあ,そんなに驚きでもないかもしれませんが,
壁です。
壁です
壁です




壁です






壁のスケールです







壁の断面です



牡蠣殻です。
大きいです




新築の牡蠣殻壁の住居


牡蠣の殻で作られた壁です。
壁用に使われる殻は大きいもので
今はもう,あまり穫れないそうです。
しかし,牡蠣の壁は現在進行形で建てられています。
古い壁を解体して牡蠣殻を取り出すそうです。






古い家屋の間取りは
三合院に準ずるようなもので,
内部の構造は木造の軸組です。
小屋組は意匠の凝ったものになっています。















ここでは,やはり牡蠣殻の壁が印象的で
それを保存,促進していこうとしているようですが

石や煉瓦のものでもいいあじ出している建築がありました。

























写真の煉瓦のものは100年前
石のものは30年くらいまえにいくらか建てられ始めたとのことでした。
新旧,牡蠣殻/煉瓦/石 それらが融合して,景観を生み出していました。

2013年4月8日

福建厦門市調査

引き続き,宮下です。
厦門はコロンス島という各国の旧領事館などの洋館がならぶ島に行きました。

なかなかの観光地のようで
島内にはひとがあふれかえり
お土産屋がならんでいるゾーンがあったり
また,よく結婚記念写真を撮る場所のようで,10組近くになるんじゃないかくらいの新婚さんがいらっしゃいました。





日本領事館もあります。
日本館も欧米各国に合わせて(対抗して)洋風建築です。







立派な教会がありました。











衣装の凝った,デザイン
すっきりしながらも,美しいデザイン
があり,優美な生活であったのではないでしょうか













現在は
どんどん,観光地化まっしぐらです
これも商店にするんでしょうか


その後,厦門市街の繁華街へ行きました。
厦門の市街も洋風,洋風的な建物が並んでいました。

厦門は島なので海が近く,新鮮な海鮮料理を食することができました。






2013年4月7日

福建客家土楼調査

爆弾低気圧」などと言いますよね。去年はこの低気圧のせいで,夜中に関空に着き朝まで一泊しました。
宮下です,今年も中国にいってきました。

冒頭のそんな報告は去年の同時期の雲南省調査のブログで報告したと思います。
このときは,毎日の報告のように小出しに書いていましたが。ちょっとしんどいもんで適当にまとめて書きます。
客家土楼・厦門市・蟳埔村蚵壳厝・福州市三坊七巷
ぐらいの4つにわけて書いていきます。



さて,福建省に行ってまいりました。
福建省は台湾のすぐ対岸を含む省であり,
食べ物は薄味で辛くなく,だもんで物足りないときもありましたが
前回,前々回のときのように,腹を壊さずにすみました。

高速鉄道
時間通りに運行していました。
まずはその福建省の客家(客家語を共有する漢民族の一支流/出典:ウィキペディア)土楼と呼ばれる住居をみてきました。

日本から発ち降り立ったところは,福州市という都市です。
そこから,高速鉄道で2時間半弱で客家土楼がみられる地域の近くの駅につきます。



最初の写真にみえるようなものが土楼です
大半がそこに移っている,円形平面,方形平面のものです。
大きさは直径や辺のながさなどが十数mから80m位までのもので
なんというか,集合住宅です。
2〜5階建てで,3階建てのものが特に多く確認できました。

円楼:円形の土楼
方楼:方形平面の土楼

土楼は版築の外壁と木の軸組からなっています。
500年まえからとか700年まえからあると言う土楼もあり,メンテナンスをしながら使い続けてきています。



円楼の内観
(魚眼レンズ)
方楼の内観
(魚眼レンズ)
土楼への入り口は1つ程度で,中心は中庭になっており,住居部分は,土楼の外壁沿いに中庭を向いて並び,土楼全体の規模に関わらず,およそ似たような間口・奥行きをもった部屋でつくっています。なので土楼の規模によって中庭の大きさが変わります。
← 土楼内観 →


そんなところでいいでしょうか
2・30年前に建てたと聞く土楼もあって何世紀も前から形を変えていないのは興味深く思います。

現在も建設中の土楼もありました(観光のため?)

崩れた土楼もあり,
それは,10数年前から住まなくなり,5・6年前に倒れたそうです。
数世紀持つ版築の土楼ですが,雨の多いこの地域では
屋根などの部材を修理,代謝していかなくてはすぐに崩れてしまうようです。


家畜も元気に美味しそうに育っていました。



 中の様子を数枚